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時代の足音2024年6月26日

なぜ「暑い」「熱中症に気をつけて」だけだとだめなのか

気温上昇は人間の活動が原因なので、この現象を少しでもやわらげ、地球を存続させるためには人間の行動を変えなければいけないからだ。

2021年8月、IPCC(気候変動に関する政府間パネル: The Intergovernmental Panel on Climate Change)は「人間が地球を温暖化させてきたことは疑う余地がない」と発表している。温暖化の影響を抑えようとすれば、われわれ人間の行動を変える必要がある。「暑い」から「熱中症に気をつけて」、自分の身を守ることも大事だが、生きていくためには、地球の健康も守らなければならない。
気候変動に対し、一人ひとりできることがある
「暑い」ことに対し、何の手立てもできないということはないので、受動的のままではなく、能動的にならなければならない。自分の考え方や行動を変える必要がある。では具体的に何をすればいいのか?

世界の専門家200人近くが、地球温暖化の進行を逆転させる(ドローダウン)ために、具体的な100の方法を示している。二酸化炭素の削減量、実現可能性、コストパフォーマンスなどの項目に基づいて数値化し、1位から100位までランクづけしている。100位中、3位に位置しているのが食品ロス削減、4位に位置するのが植物性食品を中心にした食生活をすることだ。

海面上昇

2040年頃まで海面上昇の進展がゆっくり進むこともあり、先進国ではこの問題の深刻さが十分に認識されていないところがある。しかし、その影響は脆弱な貧困国に始まり、やがては世界中のあらゆる国が絶望的な影響を受けることは必至だ。ギニアビサウ(西アフリカ)に今起きていることが、やがては全地球的に起きると予測される。

ギニアビサウは島国ではないが、それでも地球温暖化によって国家存亡の危機に瀕している国の一つだ。ギニアビサウが海面上昇によって受ける被害は深刻だ。ジョベル村では海面上昇の影響で井戸に海水が混入したり、海水が農地に入り込み作物が育たなくなるなど、元々貧困な国の生活環境が更に悪化している。国連主導で行われた海岸近くの住民を内陸に移住させる策も、移住先の住民との間で摩擦が生じ紛争にまで発展したことで、頓挫してしまった。環境難民の移動が紛争を引き起こす事例は、ギニアビサウに限ったことではないが、特に元々貧困な国では住民間に大きな摩擦を引き起こす場合が多い。(地球の気温上昇を現在の目標値の2℃までに抑えられた場合でも海面は地球平均で50cmから3m上昇するとされるが、IPCCの非常に高いシナリオの場合、2mから最大で7mの上昇が、南極の氷床の溶解が始まった場合、最大で15m上昇する危険もあることが予想されている。ちなみに1mの上昇で東京23区の7割が、15mの上昇だと関東地方がほぼ丸ごと海面下に入ることになる。)

温暖化と食糧

供給が減少しているのはオレンジだけではない。砂糖、コーヒー、ココアといった他の品目も、主な生産国における厳しい天候のために生産が不足している。ジョージ・ワシントン大学でグローバル・ヘルスを教えるラモス准教授は、食品価格の高騰は、一人一人が気候変動について学び、解決へと前進する機会であると訴える。

コククジラ、温暖化で急速に小型化 体長13%縮小 研究

太平洋沿岸のコククジラの体長が2000年以降、13%縮小しているとの研究結果が専門誌「グローバル・チェンジ・バイオロジー(Global Change Biology)」に発表された。気候変動やその他の人的活動が、海洋哺乳類の小型化を招いていることを示すさらなる証拠だと研究は指摘している。北極の寒冷で深い海域に生息する個体群とは異なり、ENPの個体群は沿岸近くの浅く暖かい水域で餌を食べる。これまでの研究では体、頭、尾がより小さいことが示されており、他の個体群よりも状態が悪いと考えられている。海水が深層から表層近くへ湧き上る湧昇では、栄養塩も深海から浅海に運ばれる。湧昇流の緩和期に運ばれた養分は浅い海域にとどまり、そこでクジラが餌とするプランクトンなどの微小生物が光合成によって成長する。

 しかし、気候変動は風のパターンや水温の変化を通じて、この微妙なバランスに影響を与える要因であることが知られている。湧昇(ゆうしょう、英語: upwelling)とは、海洋において、海水が深層から表層に湧き上がる現象、またその流れ。湧昇流(ゆうしょうりゅう)ともいう。

軍の温室効果ガス排出

 世界各地で軍は大量の温室効果ガス(GHG)を排出しているが、正確な量は公表されていないことが多い。専門家の分析によると、世界の総排出量の5.5%が軍によると推定され、民間航空機の2%を上回る。

 各国は脱炭素化に乗り出しており、日本も防衛省が「気候変動対処戦略」を策定。化石燃料に代わる燃料の使用や、施設への再生可能エネルギー導入などを進めている。

シカの食害と温暖化

森林にシカが増えて食害が進むと、二酸化炭素を吸収して蓄える機能が大きく減ってしまう。そんな研究結果を九州大のグループがまとめた。宮崎県の森林で、植物や土壌に蓄積されている炭素の量を見積もったところ、食害の影響が大きい場所は元の姿の場所に比べ、ほぼ半減していた。

 シカが食べない樹木が増え、太い幹が育ちにくくなるなど、森林の構造が変化したためとみられる。研究者は「気候変動対策として調査地は、宮崎県椎葉村の山地にある九州大宮崎演習林。ブナやモミなど広葉樹と針葉樹が混在する森林が分布するが、1980年代からニホンジカが増え、植生が変化してきた。

 シカが増えると、下草のササ(スズタケ)が失われ、新たなブナやモミが芽吹いても若いうちに食べられてしまう。シカが食べないツツジ科のアセビが茂った場所や、裸地化した場所も目立つようになった。

輻射熱と熱中症

暑さ指数は、湿度・気温・輻射(ふくしゃ)熱(地面や建物などから出ている熱)の3指標から算出する。指数の値が高いほど熱中症のリスクが上がり、28~31が「厳重警戒」、31以上が「危険」と区分されている。33以上になると「警戒アラート」が、35以上で「特別警戒アラート」が出される仕組みだ。環境省が県内では8地点で測定しており、1時間おきにデータを更新している。

 県はこれとは別に、独自のシステムを使って測定している。2022年に県内の20地点で始め、現在は県内28地点まで増やした。データの更新は10分おき。県気候変動適応センターのホームページ(https://saiplat.pref.saitama.lg.jp/から見ることができる。

日本の気候変動枠組(温室効果ガス排出量、吸収量)どこまでできてる?

これは、国連気候変動枠組み条約とパリ協定に基づき加盟国から毎年提出される”Nationally determined contributions(NDCs) “= NDC(国が決定する貢献)の中核となるもので、日本の温室効果ガスの排出量、吸収量を算定したものである。

= 我が国の温暖化防止対策がどこまで来ているのか、

= 国際的にみて責任を果たせているのか、

= 将来の抑制対策の目標(「2050年カーボンニュートラルと整合的で、野⼼的な⽬標として、我が国は、2030 年度において、温室効果ガスを 2013 年度から46%削減することを⽬指す。さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく。」)との日本の削減⽬標に照らして、良い進捗がなされているか、= 将来の抑制対策の推進に良い基盤を提供できるものとなっているのか、などを評価するための基礎情報を提供するものとして、極めて重要な技術情報と言える。

[国立環境研究所] 「温室効果ガス排出・吸収量について」では、その冒頭に、重要な点として、以下のように記述されている。

1.二酸化炭素(CO2)換算、以下同じ。)で、2021年度比で2.3%(約2,510万トン)の減少、2013年度比では22.9%(約3億2,210万トン)の減少となった。

2.代替フロン等4ガス(HFCs・PFCs・SF6・NF3)の排出量は約5,170万トンで、2021年比で1.4%の減少となり、2009年以降初めて減少しました。なお、HFCsについては、フロン排出抑制法への改正によって使用時漏えい対策が導入されたこと等を踏まえて、排出係数(使用時漏えい率)を見直し、2016年以降に適用した。

3.今回の国連への報告では、世界で初めて、ブルーカーボン生態系の一つである海草藻場及び海藻藻場における吸収量を合わせて算定し、合計約35万トンの値を報告しました。今後は塩性湿地・干潟の算定についても検討を進めている。

4.3類型(4種類)の環境配慮型コンクリートによる吸収量(CO2固定量)を同じく世界で初めて算定し、合計約17トンの値を報告した。今後はJクレジット化に向けた検討を進める。

これは、国連気候変動枠組み条約とパリ協定に基づき加盟国から毎年提出される”Nationally determined contributions(NDCs) “= NDC(国が決定する貢献)の中核となるもので、日本の温室効果ガスの排出量、吸収量を算定したものである。

= 我が国の温暖化防止対策がどこまで来ているのか、

= 国際的にみて責任を果たせているのか、

= 将来の抑制対策の目標(「2050年カーボンニュートラルと整合的で、野⼼的な⽬標として、我が国は、2030 年度において、温室効果ガスを 2013 年度から46%削減することを⽬指す。さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく。」)との日本の削減⽬標に照らして、良い進捗がなされているか、= 将来の抑制対策の推進に良い基盤を提供できるものとなっているのか、などを評価するための基礎情報を提供するものとして、極めて重要な技術情報と言える。

著作者:WEO石川理事長

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