時代の足音3月19日~
3月19日(木)
認知症などを引き起こす遺伝性の血管の難病「CADASIL(カダシル)」の病気の状態を、iPS細胞を使って試験管内で再現することに成功した。 CADASILは遺伝性の病気で、片頭痛や脳梗塞、認知症をひきおこす。脳の血管が細くなったり、血管が縮む、広がるという反応が悪くなったりすることが原因だが、根本的な治療法がない。患者は人口10万人あたり数人といわれてきた。京大チームは患者3人の皮膚の細胞から、iPS細胞をつくり、「血管壁細胞」に変化させた。患者特徴である、細胞の膜にある特定のたんぱく質が集まって塊になる現象などが再現された。ISP治療効果が期待される。
3月20日(金)
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が米紙で「延期」を示唆した。東京都や大会組織委員会はこれまで、「予定通り」と唱え続けて、「仮定の話には答えない」との立場を取っていた。しかし、IOC会長が「複数のシナリオ」を認めた以上、これまで封印してきた「延期論」を本格的に検討し、追加負担の規模や選手の健康面など、想定される事態や課題を示すべき局面に来ている。
3月21日(土)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国の今年4~6月期のGDPが年率換算で、前期比24%減に落ち込む、との予想を米金融大手ゴールドマン・サックスが20日まとめた。景気後退入りが確実視されつつある。
米政府がGDPを集計し始めてから、最も低い予想。リーマン・ショック直後の2008年でもマイナス8・4%だった。これらを上回る急激な景気後退に陥る恐れを指摘している。
3月22日(日)
さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで22日、格闘技イベント「K―1」を開催した。来場者は6500人。会場を所有する埼玉県は事前に自粛を促したが、開催に踏み切った。大規模イベントは、19日の県関係者によると、西村康稔経済再生相も、大野知事に対し、主催者に自粛を求めるよう要請したという。主催者はチケットの払い戻し対応はしない。また、入場者によると興奮すると大声を上げたりマスクを外したりする観客もいたという。
3月23日(月)
AIとヒトの共同作業で、次のトレンドになりそうなワードを抽出。そのワードに関連する複数の商品について、開発担当者やマーケティング担当者らに取材し、商品に込めた思いや狙いを聞くことで、トレンドの最先端を探る。初回のトレンドワードは「ニンニク」。
3月24日(火)
コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策で、現金給付や商品券配布を一律給付でやった場合、それが貯金に回らず投資に回る保証は?「リーマンの時と違うんだよ。リーマンの時、マーケットにキャッシュがなくなったんだから。今回はどこにそういう状態があるの? みんな銀行にお金が余っているじゃん。だから、お金があるんですよ。要はそのお金が動かない、回らないのが問題なんだから。」経産省大臣の言葉。
3月25日(水)
自民党の二階俊博幹事長が、東京都内で講演し、来秋に党総裁の任期満了を迎える安倍晋三首相について「この人に活躍の場を与えないで誰にやらせるか。続投させることが大事じゃないかと、国民のほとんどが思っている」
3月26日(木)
テレワーク、日本の導入なぜ遅い?「いまでは日本と米国でITインフラ面で大きな差はない。違いは、仕事の評価基準。米国は業績評価と報酬制度が浸透している。働く場所や時間よりも、成果や雇用者の生活が重要、という見方がされる、から。
3月27日(金)
新型コロナウイルスの感染拡大によって、全国の3233事業所で休業などを検討し、888人が解雇や雇い止めをされたり、その見通しがあったりすることが、厚生労働省のまとめで明らかになった。観光客の減少が経営を直撃した観光業に目立つ。
3月28日(土)
コロナウイルスの感染が広がるイタリア北部の小さな町が、感染の有無を調べる検査の徹底で「封じ込め」を達成したとして注目されている。研究者は、無症状の感染者も特定して隔離し、感染を広げない努力が奏功したとして、検査の重要性を訴えている。イタリアで初の死者を出し、2月下旬から町全体が封鎖された。研究に参加した教授が2月下旬と3月上旬の2回、それぞれ全住民約3300人の感染の有無を検査した。最初の検査では89人が陽性となり、陽性者を全員隔離した後、10日ほど間をあけた、2回目の全住民検査では陽性は10人以下となり、全員に症状がなかった。この陽性者を隔離した後、新たな感染者は確認されていないという。2回目に陽性になった人のうち、少なくとも2人は、1回目の検査で陽性だった無症状の人と同居していたという。教授は「感染者にせきや熱の症状がなくても、他の人にうつることは明らかだ」と検査の重要性を強調する。
3月29日(日)
政府は緊急経済対策について、事業規模を60兆円、うち国費を20兆円とする提言案をまとめた。「リーマン・ショック時を上回る規模」の目標を踏まえたとりまとめを行う。リーマン・ショック後の2009年4月に麻生内閣がまとめた対策は、事業規模56・8兆円、うち国費は15・4兆円だった。
3月31日(火)
受動喫煙をなくす改正健康増進法が4月1日に全面施行され、飲食店も含めて屋内は原則禁煙となる。新型コロナウイルス対策として「これを機に禁煙しては」と呼びかける。今回の改正法施行で、飲食店のほか、オフィス、工場など多くの人が利用する施設は屋内は原則禁煙になる。客席面積が100平方メートルを超える飲食店では、100平米以下では、入り口に標識を掲示する必要があり、標識を出さずに喫煙させると法令違となり、罰則もある。
4月1日(水)
新型コロナウイルス感染症対策として、世界90超の国と地域で自宅待機命令や自宅待機勧告、夜間外出禁止、隔離といった外出制限を課される人の数は、世界人口78億人の約半分に当たる39憶人を超えている。
4月3日(金)
安倍晋三首相が各世帯に布マスクを2枚ずつ配布すると表明したことを巡り、米メディアは、日本で「アベノマスク」とやゆされていることを紹介した。新型コロナウイルス対策としては不十分だと失笑を買い、安倍氏の支持者からも「エープリルフールの冗談では
ないのか」といぶかる見方が出ていると伝えた。
4月4日(土)
新型コロナウイルスの新たな感染者は4日午後11時35分現在、369人に上り、最多を記録した。東京都と大阪府でそれぞれ1日あたりの数が最多となった。
4月5日(日)
さいたま市中央区の5歳の男の子が2月23日、旅行先の静岡県河津町でアキアカネとみられるトンボを捕まえた。写真を見た専門家は「冬には姿を消すはずなのに、貴重な記録だ」と驚いている。「2月下旬というのは驚異的な遅さで貴重な記録。記録的な暖冬の影響としか考えられない」と専門家は言う。
4月6日(月)
福島第一原発にたまる処理済み汚染水の処分方法について、福島市内で地元首長ら10人から意見を聴く会を開いた。海か大気中への放出を「現実的」とする経済産業省の小委員会の提言を受け、初めて開催した。放出に反対する声や補償を求める意見などが相次いだ。約120万トンの処理済み汚染水は、多核種除去設備(ALPS)などで二次処理をしても、トリチウムという放射性物質が取り切れずに残る。薄めて海か大気に放出する2案に絞り込んだ上で、海の方が技術的には「確実に実施できる」と有力視。
4月7日(火)
新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく初めての緊急事態宣言が、東京や大阪、福岡など7都府県に出された。外出自粛や施設の使用停止要請で、私たちの暮らしは大きく変わる。緊急事態宣言は、安部首相が政府対策本部の本部長を務め、都道府県を単位とする区域や実施期間などを示して出すと、特措法で定められている。該当地域の知事が感染拡大防止などで必要と判断すれば、住民への不要不急の外出の自粛要請や、施設の使用停止、イベントの開催制限の要請・指示などの措置が可能。要請や指示に違反しても罰則はない。
4月8日(水)
内閣府はタクシー運転手や商店主らに景気の実感調査をした。3月の調査では、3カ月前と比べ実感を示す季節調整値は前月より13・2ポイント低い14・2と大幅に悪化。東日本大震災直後の水準23・9や、リーマン・ショック後の水準19・0を下回り、過去最悪となった。景況感が急速に悪化。
4月10日(木)
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を受け、東京都の小池百合子知事は10日の定例会見で、休業を要請する対象施設を公表した。要請は11日午前0時からで、5月6日まで続く。協力事業者に「感染拡大防止協力金」を支給する意向も表明。2店舗以上持つ事業者に100万円、1店舗の事業者に50万円を支給する。
4月13日(月)
感染拡大を防ぐため、「職場への出勤者を最低7割削減してほしい」首相が打ち出した要請に対し、緊急事態宣言の対象となった7都府県の企業からは戸惑いの声が上がっている。すでにテレワークを導入している大企業は多いが、実効性には課題も多い。資金力のない中小企業は、さらに難しい状況だ。
番外
主要機関での感染は、警察官2名、経産省1名(所属明かさず)、凸版会長、修習生、自民鳩山議員秘書、ジョンソン英首相、たんぽぽ白鳥、阪神藤波・長坂・伊藤、サッカー協会田嶋会長、志村けん、森三中黒沢、元楽天梨田、宮藤九郎、J1神戸酒井、相撲協会、チャールズ皇太子、
4月20日(月)
外国人技能実習生に実習先を紹介し、実習内容や住環境の監査もする「監理団体」が総額約5億円の所得隠しが指摘された。監理団体は国の許可を受けた非営利団体だが、人手が欲しい企業に実習生を売り込む「外国人材ビジネス」の実態も浮かぶ。
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